神職ブログ

お雛様には

お祭り

現在開催中の「城下町長府ひなまつり」。当社の展示にも多くの方が足を運んでくださっています。

およそ800体にもなりますと、お人形の年代や様式にも違いが様々です。主だった違いは京雛と江戸雛という様式で、お内裏様・お雛様の配置が違う事、仕丁の持ち物が異なる事が大きな違いです。

しかし中にはそういった昔ながらの差異とは違った、そのお人形あるいは職人のこだわりとして作られた部分もあります。

この2つの写真をご覧ください。真ん中の五人囃子にご注目いただきたいのですが、楽器が違う事にお気づきでしょうか。
上の写真はごく一般的な五人囃子で、締太鼓・大鼓・小鼓・笛・唄で並んでいます。これは能や歌舞伎などの囃子方で使われる楽器たちで、所謂邦楽としてよく見られます。

一方、下の写真ではどうでしょう。向かって左から篳篥・笛・太鼓・笙・鞨鼓と並んでいます。これは能や歌舞伎より古くから我が国に伝わる雅楽の楽器なんです。宮廷音楽として発展継承されてきて、織田信長や徳川家康など時の権力者も厚く庇護したといいます。
笛の見た目も変わりませんが、囃子では能管や篠笛、雅楽では龍笛が主に使われます。篳篥は日本では珍しいリード楽器の縦笛です。雅楽の場合は囃子方とは言わず、楽人と言います。

この様に、時折一味変わったお雛様が見られるのも沢山のご家庭から納められたからこそですね。
雅楽のお雛様がどこに飾られているかは、是非見に来てください。お待ちしております。

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