神職ブログ
天と地の、恵と禍
いつの間にやら立秋を過ぎ、もうすぐ処暑を迎える今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
この暑い夏、この時期の長府と言えば数方庭祭、夏の忌宮神社と言えば数方庭祭です。今年も神様と、皆様のおかげで滞りなく執り行う事ができました。
去年のような台風こそありませんでしたが、今年は打って変わって前後含めて2週間ほどでしょうか、ほとんど雨が降りませんでした。境内には飲食の露店も多く出店されておりましたので、砂埃対策に水を撒くのですがあっという間に乾いてしまいます。雨は大切ですが、急に大量に降ると災害。こうして全く降らないと行事は行いやすいですが、降らなすぎるとこれもまた心配。
これまでですと、夏には夕立が降って地面を潤し、暑さも幾分和らいで夕涼み。と言うのが日本の伝統的な夏だったのですが。
しかしながら日が進むにつれて夜間の風が少しずつ出てきて涼しくなり、比較的過ごし易いなかでお祭りができたと思います。
今年は当ブログ編集者も、氏子の皆様に支えられながら初めて幟を持つ事ができ、このお祭りの雄大さを肌身に感じる事ができました。見た目は大きく豪壮でありながら、この大きな幟は細い物でも数十キロあり、真っ直ぐ立てて支え続けるにはミリ単位の重心移動が求められ、大変に繊細な技術を必要とするものでした。皆様の輪に入って初めてわかる祭りの魅力でしょうか。温かく迎えて下さった幟奉仕各団体の方々にも、この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
こうして今年の数方庭祭も無事に執り納め、境内を吹き渡る風も熱風からは遠ざかりつつあるように思えます。
今度は台風の心配が出てきますね。近年の台風の進路は本当に予想外で、今年はいきなり東回りで東北地方を直撃しました。海水温の上昇で猛烈な勢力の台風が頻発する近年、更にはここのところ太平洋側で大きな地震が相次いでおります。
宮崎県の地震では南海トラフとの関連が考慮され、その後も関東で震度4~5程度が発生しました。かつてないほど災害大国であることを意識させられます。できる対策は沢山あると思いますので、各家庭や事業所で備える事が肝要になってくるかと思います。神社はその時どう動けるでしょうか。
過ぎゆく暑さと、禍福両面併せ持つ自然に思いを巡らす、秋の入り口です。